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54.157.210.33|2017/03/24 20:57:04

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唾液学科

唾液の役割

 唾液はただの水ではありません。私たちが生きていく上で必要不可欠なものだということを認識しましょう。ここでは唾液の役割についてご紹介していきます。

(1) お口の粘膜を潤し、お口を滑らかに(潤滑作用・湿潤作用)

お口の中には、硬い歯とやわらかい粘膜が同居していますが、しゃべったり、食べたりしても傷つかないのは、唾液がお口の中を潤しているからです。

(2) 消化を助ける(消化作用)

唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。アミラーゼは、糖質を分解し、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。

(3) 飲み込みを助ける(咀嚼・嚥下作用)

唾液との混和で適当な食塊ができるため、飲み込みやすくなります。

(4) 生体を守る(生体防御のはたらき)

人体で外に開いている部分(お口、目、鼻など)には、外から浸入してくる細菌などを防ぐ役割をしている生体防御機能がはたらいています。唾液に含まれるリゾチームは、その役割をするもののひとつで抗菌作用を持った酵素です。リゾチームは唾液だけでなく、涙や汗、リンパ腺、鼻粘液、肝臓、腸管など、生物体内に広く分布していて、色々な細菌感染から生体を守り、生命維持に欠かせないものです。また、唾液に含まれるムチンなどは、菌を凝集させ、菌塊とし、口内から排出するはたらきをしています。

(5) 味覚

私たちは、主に「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」といった5つの味を感じとっているので、毎日の食事を楽しむことができます。これは、食べ物に含まれる味物質が、唾液の中に溶け込み、舌の「味蕾(みらい)」と呼ばれる味覚受容器に届けられることで、味を感じることができるからです。しかし、唾液がないと、潤滑作用がなくなって舌がこすれて味蕾がなくなったり、舌炎を起こして味蕾がはたらかなくなったりします。また、味物質もきちんと味蕾に届かなくなります。つまり、唾液がなければ、私たちは物の本来の味がわからなくなるという“味覚障害”に陥ってしまうのです。

(6) お口の中を清潔に保つ(洗浄作用、自浄作用ともいう)

唾液は、お口の中を洗い流す役目を果たします。だから唾液の分泌量が少なくなってしまうと、お口の中が汚れやすくなり、ムシ歯にかかったり、口臭が出たりしやすくなります。

(7) お口の中のpHを一定に保つ(緩衝作用)

唾液中の重炭酸塩(イオン)[HCO3−]のはたらきによってお口の中のpHを中性に保とうとするはたらきのことをいいます。特に、飲食後はお口の中が酸性に傾きがちです。酸性の状態が長時間続くと、歯が溶けてムシ歯になりますが、唾液のもつ緩衝作用によって、お口の中をいち早く中性に戻すことで、歯が溶けて、ムシ歯になるのを防ぎます。ですから、中性に戻す能力が低い唾液を持つ人はムシ歯にかかりやすいといえます。

(8) 酸によって溶けた歯を修復します(再石灰化作用)

ムシ歯菌が出した酸によって歯のカルシウムやミネラルが溶け出しますが、唾液にはカルシウムやミネラルを歯に補充し、修復するはたらきがあります。これを再石灰化作用といいます。この再石灰化作用が弱い人はムシ歯にかかりやすいといえます。

唾液に関する病気

 唾液は私たちが生きていく上でとても大切なものですが、その唾液の分泌に影響を与える病気などを紹介します。

【シェーグレン症候群】

自己免疫疾患のひとつで、自分自身の免疫細胞が自身の唾液腺や涙腺などの外分泌腺を攻撃するため、それら唾液腺や涙腺が破壊されてしまう病気です。その程度は個人差がありますが、唾液や涙をつくる機能が低下するためにお口や目が乾燥します。

【更年期障害】

更年期障害では、ほてり、のぼせが主な症状ですが、『口渇(のどの渇き)』を訴える人もいます。

【放射線治療】

がんの治療で放射線治療を受けることがあります。のどや鼻などの頭頚部のがんに対して放射線治療を行った際に、照射された部分に唾液腺の組織が含まれていると、唾液腺が破壊障害されて唾液の分泌が減ってしまうことがあります。

【薬の副作用】

花粉症の薬や高血圧の薬/抗圧剤などの 一部の薬には“唾液”を分泌するのを抑える「副作用」があるものがあります。

 最近では「ドライマウス外来」を設置する病院やドライマウスに対応できる歯科医院も増えてきました。「お口が乾燥する」と感じたら、受診してみましょう。

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