カラダと健康のために、きちんとオーラルケア Mouth & Body PLAZA

3.80.218.53|2018/12/14 17:01:47

M&B スクール

歯周病学科

糖尿病患者におけるオーラルケアの要点

歯周病の予防の基本であり、また歯周治療を成功に導くために必要不可欠であることは、その原因となっている細菌数を減じること、すなわちプラークを(歯垢)除去することである。

これには、歯科医院での専門的処置に加え、患者自身が自ら毎日行うセルフケアも極めて重要な意味を持つ。そこでまず、適切なセルフケアを行うために歯科を受診する必要があり、歯科専門家による個別指導を受けることが推奨される。

なお、プラーク除去のためのセルフケアは、一般的に歯ブラシで行われるのだが、高血糖状態である(血糖コントロールの不良な)糖尿病患者の歯肉は健常者よりも炎症状態が著しい場合が多いため注意を要する。歯ブラシの選択や歯ブラシの仕方については、歯科医師や歯科衛生士などのプロの指導を受けることを勧めるが、毛先の硬いものは避けるほうが良い。また、歯ブラシだけではプラークは除去しきれないので、歯間ブラシやフロスを併用する。歯みがきの際に洗口剤を使用して口腔内を殺菌・消毒することもよいかもしれない。

また、糖尿病患者における食事療法は、プラークコントロールにも一役買うことを覚えておきたい。糖尿病の食事療法では、糖吸収を穏やかにする目的で食物繊維の積極的な摂取を推奨しているが、食物繊維を含む食品は硬いものが多く、その咀嚼と、その刺激によって分泌される唾液がプラーク付着を抑制し、歯の自浄性を高めるのに役立つのである4)

以上で述べてきた通り、糖尿病と歯周病とは高率に併発し、相互に増悪因子となって密接に関係している。従って、糖尿病患者の歯周病管理に際しては、歯科医師およびスタッフがその臨床的意義を理解すると同時に、患者啓発にも努めることが極めて重要だと考えられる。

その一方で、医科歯科連携の今後のさらなる深耕も望まれる。その意味から、糖尿病協会による歯科医師登録医制度(詳細はhttp://www.nittokyo.or.jp/shikatourokui_10001.htmlを参照)などが注目に値する。

引用文献
1)Nelson RG et al. Diabetes Care. 1990 Aug;13(8):836-40.
2)Emrich LJ et al. J Periodontol. 1991 Feb;62(2):123-31.
3)L醇re H. Diabetes Care. 1993 Jan;16(1):329-34.
4)柴崎貞二ほか、診断と治療 2006;94:111-118.

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