カラダと健康のために、きちんとオーラルケア Mouth & Body PLAZA

3.87.147.184|2019/05/20 05:22:11

M&B スクール

歯周病学科

歯周病と糖尿病の相互関係
糖尿病から歯周病への影響

近年「メタボ健診」などにより、生活習慣病の予防に対する関心が高まっています。その中でも糖尿病は他の病気との関連が示されている点からも注目されています。最近の調査(厚生労働省2007年国民健康・栄養調査) では糖尿病の可能性のある人を含めると、その数は2200万人以上にのぼると言われています。

糖尿病は放置していると体の血管や神経に影響を及ぼしてさまざまな合併症を引き起こす病気で、進行すると心臓病、腎臓病、脳卒中、失明などにより生活の質(QOL)や生命にも影響を及ぼしてしまいます。さらに歯周病も深く関連する病気であるということがわかり、「糖尿病の第6の合併症」といわれるようになりました。

糖尿病で高血糖状態が続くと体の中の防御反応が低下して感染症にかかりやすくなるといわれています。細菌感染を原因とする歯周病においても同様であり、糖尿病の人は健康な人に比べて歯周病にかかっている確率が2倍以上も高まると言われています。また、体の中に炎症を悪化させやすくなっているので歯周病が進行し、重症化しやすくなるのです。

歯周病から糖尿病への影響

さらに近年では歯周病の存在が、糖尿病の状態に影響する可能性があるという報告がされるようになってきました。歯周病菌の持つ毒素や歯周病にかかったハグキの中で作り出される炎症性物質が血液を介して体の離れたところに作用し、最終的には血糖値を高くするような悪影響を及ぼしていると考えられているのです。また、歯周病にかかっている糖尿病の人は、糖尿病の合併症である心臓病で死亡する確率が2.7倍、腎臓病で死亡する確率は4.1倍も高くなることも報告されました。実際に歯周病の治療をすると、ヘモグロビンA1cという血糖値のコントロールの指標の値が低下することも報告もされています。

また、歯周病が進行すると毎日の食事に影響がでてきます。歯周病は初期の段階ではハグキの多少の腫れやハグキからの出血が見られるだけですが、進行するとハグキがひどく腫れたり、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラし始めたりするようになります。そうなるとうまく噛めなかったり、噛むと痛みが生じたりして食事に支障をきたすようになります。さらに進行して歯が1本、2本と抜けてなくなってしまうと、噛む力はずいぶん低下してしまいます。入れ歯を入れたとしても、自分の歯で噛む場合に比べると、噛む力は1/4~1/6程度になってしまうといわれています。

噛めなくなるということは、食事により影響を受ける糖尿病の方には重要な問題となります。噛むことに支障が出てくると軟らかい食べ物を好むようになったり、あまり噛まないまま飲み込んでしまったりする傾向があるようです。軟らかい食べ物は一般的に糖質や脂質を多量に含むものが多く、また噛まないと満足感(満腹感)が得られにくくなる結果、食事量が増えてしまうという悪循環に陥りやすくなります。また、噛まないことで口の中の刺激が減り、唾液の量も減ってしまいます。唾液の量が減ると口の中を洗い流すことができず、口の中を清潔に保てなくなります。また唾液には抗菌物質も入っているため、唾液量の低下はお口の中の細菌が増えることにもつながります。十分に噛めない状態はお口の中の細菌を原因とする歯周病やムシ歯を生じさせたり、進行させやすくなったりするのと同時に、早食い、食べ過ぎ、糖質や脂質の多い食事などによって糖尿病を悪化させることにもなるのです。

前へ 1 2 次へ

このページの先頭へ