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107.20.10.203|2019/03/27 03:54:37

治療・医療情報

2007年11月 「がん治療と口腔ケア」
実際にはどのような切り口で口腔ケアを導入されたのですか?
日本における頭部がん再建手術は、現在では標準治療となっています。しかし、この再建手術は、口腔内の唾液1mL中に数億~10数億の細菌が存在する手術野で行われるため、術後の合併症率が非常に高く、発症率は40~60%とされていました。私は、がん患者さんの口腔ケアに取り組むことで、なんとか、口腔合併症を予防・軽減することができないかと、考えていたので、まずは、頭頸部がんの患者さんに限定して口腔ケアを開始しました。
具体的にはどのようなことをされたのですか?
大田洋二郎口腔外科部長 口腔有害反応や口腔トラブルが予想される場合は、観察項目に口腔を含め、(1)口腔衛生状態 (2)歯牙 (3)舌・口腔粘膜・咽頭部を観察します。その後、看護師のみで口腔ケアを行うのか、歯科医と共同してケアを行うのかを判断します。静岡がんセンターにおける口腔ケアは(1)口腔内清掃保持 (2)口腔内保湿 (3)疼痛緩和の3点を重視します。例えば、ハブラシを用いた清掃が口腔清掃の基本ですが、病院の看護師が行う方法には、スポンジブラシを用いた口腔粘膜のケアもあります。また、患者さん自身の歯みがきは、基本的にセルフケアを指導しています。放射線治療の患者さんは、唾液が少なくなることで自浄作用や免疫作用が低下するため、刺激の少ない歯磨剤や液体歯磨剤の使用などもおすすめしました。
手ごたえはどのように感じましたか?
実際に口腔ケアを導入してから、形成外科の医師から「合併症が少ないのは口腔ケアの効果ですね」 と、うれしい評価を受けるようになりました。さらに、周術期口腔ケアの効果を明らかにするために、臨床データの分析を行いました。結果は、口腔ケア介入のない病院とある病院では術後合併症率と経口摂取開始までの日数に有意な差があること、また、口腔ケアに介入する場合と、介入しない場合を比較すると術後合併症リスクが1/7に抑えられることがわかりました。
今後どのような取り組みを考えていますか?
がん患者さんへの理解を深め、口腔ケアの分野で自らが携われるということを自覚している歯科医療従事者は、まだ少ないのが現状です。しかし、少しずつではありますが、医科と歯科の連携が地域支援型で進んでいると実感しています。 2006年には静岡県歯科医師会・サンスター株式会社・静岡がんセンターの三者間で包括的共同研究協定が締結され、研究が進められています。

これからも、医科と歯科の連携、がん患者さんの口腔トラブルの症状を予防・軽減するセルフケアの指導や商品開発など、がん治療と口腔ケアをとりまく環境づくりに貢献していきたいと思います。
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